10月も中旬になったというのに夏日のような気温が続いていますね。週末は雨模様で気温も下がるようですので体調管理に気を付けたいところです。
少しお手伝いさせてもらっている戸建て住宅の現場での一場面。
この写真の中には6枚の板が写っていますが、全て別の材種です。
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実に様々。
これ、塗装していない状態です、念のため。
赤から黄色に茶色…塗装で色を付けたように見えますね。
写真では少々分かりにくいですが、奥の赤い木から手間に順番に…
【花梨】 かりん
赤みが特徴の木材。とても堅く、ずっしりとした重いけど加工性はいいのも特徴です。タイやミャンマーなどの東南アジアが産地。磨くと何とも光沢が美しい木材です。乾燥は気長にしておかないと狂いが出てしまう。手間をかけると応えてくれる、そんな健気なイメージです(私の勝手なイメージ)。
【栗】 くり
栗と言えば、この季節 実 を思い浮かべる方が多いかもしれません。秋の代名詞的な立ち位置ですよね。甘栗に栗ご飯、焼き栗、栗きんとん…。私も先日渋皮煮を頂いて堪能したところです。
栗は昔から耐久性に優れていて、強靭なため電車の線路を支える枕木で活用されていました。古い土蔵などの調査に行くと、土台に栗を用いられている事例もあります。
これは栗に含まれるタンニンという成分に防虫効果があるため。タンニンは鉄と水で黒く変色する性質があるため、使用する場所には注意が必要です。
ちなみに、栗の葉や樹皮が漆カブレに有効だとか。カブレた際に試してみようと思います。カブレたくはないですが…
【楢】 なら
家具材でも使用されているのでご存知の方も多いと思います。熱や加湿により曲げ加工がしやすいため家具で広く使われています。
虎斑(とらふ)と呼ばれる虎の毛並みに似た模様があるのが特徴です。よく似たタモ材にはない特徴です。
【漆】 うるし
漆と聞いて思い浮かぶのは 漆器 ではないでしょうか。漆の樹皮を傷つけて採取した生漆を元にしたものですが、漆塗りについては、改めて別のところでお話ししようと思います。(数ある木材の中で「漆」だけが唯一「木」偏ではなく「氵(みず」偏と水に関わる漢字を割り当てられているのも漆塗りに関係します。)
幼少の頃、山に入る時「ウルシに触れないように」と何度も注意された記憶があります。カブレますからね…これはヤマウルシといって親戚筋です。
漆塗に使う生漆以外に、製材された材木としての漆に対面するのは初めて。黄色い材木がまぶしく感じました。調べると、1984年に福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土発見された木片から、縄文時代から使用されていたことが分かったそうです。
【朴】 ほお
朴の葉を使った朴葉寿司は岐阜県や長野県、奈良の吉野の郷土料理。朴が育成していることはもちろん、山仕事に適した形体だから根付いたのかもしれませんね。
刃当たりがいいため、まな板や刀の鞘に使われる木材です。昔は製図版(最近ではパソコンにとって代わってしまっていますが…)にも使用されていたとか。割れや狂いが少ない、素性がいいのが所以と思われます。
【栃】 とち
この種子は 栃の実 として和菓子などでよく添えられているのを目にします。
なかなかまっすぐに育ちにくい分、変化にとんだ表情を楽しませてくれる木です。大径木のため、床の間の一枚板に使われることも。加工性はいいものの、少々狂いやすいという点も。
色や得意分野もさることながら、木目も三者三様(六木六様?)。
よく似た木目もありますが、その木ならではの木目があるので材種当てクイズに調整してみてはいかがでしょうか。同じ材種でも産地(山)が違うと木目も全く違う、ということがあるので、一筋縄にはいかないところが、また楽しかったりします。
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仕立建築舎 平賀
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