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既存建物調査:点検口・進入口確保|住宅医による詳細調査

梅雨入り後、久しぶりの雨模様なので現場では天候を考慮した工程管理が大切な時期になってきました。

 

ここ最近、週1回のペースで既存建物調査を行っています。既存建物は基本的に屋内ですが、外回りの調査もあるためやはり天候が気になる時期です。

 

既存建物調査物件の規模や調査項目などは様々ですが、調査の流れをご紹介したいと思います。まずは調査の第一段階となる[点検口確保]について。

 

 

←住宅医スクール(住宅医協会主催)の講義資料

 

今年度のスクールは6月に開講し、初回には「建物調査と報告書の作成」という講義内容がありました。

私は、2015年度のスクールを受講し「住宅医」の検定試験を無事合格し、昨年度より当日スタッフとして講義に参加しています。毎年、調査方法の改良や便利な道具などを紹介され、人気の講義の1つです。

 

調査にあったって、事前の段取りが重要になります。特に少人数での調査となると、一人あたりの作業量が多くなるので現地に着いてすぐ行動開始できることが第一です。(大人数の調査の場合も、調査担当の分担、班分けを組んで効率的な調査を行う必要があるので、いずれにしても事前の準備が大切になり、

人数の多い少ないは関係ないのかもしれませんね・・・)

 

まずは事前に小屋裏や床下への進入口となる点検口などを把握しておくことが大切です。

 ・キッチンの床下収納からは入れるか?

 ・押入れの天袋から入れるか?

 ・点検口が無い場合、新たに点検口を設けていいか?

必ず調査当日までに住まい手さんに確認するようにします。

 

畳の場合、畳を上げて下地の板を外して床下への進入は可能ですが、箪笥などの家具が置いている状況だと容易に畳をあげることができません。

押入れの場合も事前に荷物を移動しておいてもらうと当日スムーズに調査を行うことができます。

 

■床下調査用

写真左)キッチンの床下収納から進入口確保

 ・この場合は、事前に床下の収納物を事前に移動しておいてもらうこと。

 ・通常、キッチンの近くにあることが多いので、埃が舞うことをお伝えし、キッチン廻りの小物を極力棚内部に収納しておいてもらう。もしくは当日、ビニールを被せる。

 

写真右)基礎の立上りがなければ縁側の下から進入可能

 最近の住宅では少ないですが、ある程度築年数の大きい物件では縁側から床下が解放されていることもあります。この場合は、外周部から進入可能なので、室内の養生は不要になります。このタイプは床下の有効高さが大きいことが多く、写真の物件のように軽く丸まればほふく前進せず調査可能です。

 

たまに点検口開けてすぐの箇所に火打ちや配管が密集していることがあるので注意が必要です。

 

点検口の位置を確認するだけでなく、予め開閉しておくと、調査当日出鼻をくじかれることを防止できます。

■2階床・下屋調査用

写真左)二階に和室がある場合

 ・畳を上げて、床板を外すもしくは開口を開ける。

床板に開口を開ける場合は、調査後板を戻せるように根太上で切ります。

 

写真中・右)二階が全てフローリング材の場合

 ・一階天井点検口からの調査。脚立必要。

 

いずれの場合も床下や小屋裏のように進入しての調査は不可のため、顔を覗き込んでの調査になります。ということは、開口を開ける箇所が重要です。大梁の近くから除いたても、その梁の向こう側は目視でも調査できません。ある程度、梁の架け方を想定して効率よく調査(目視)できる開口を開けることが求められます。

 

■小屋裏調査用

押入天袋部分

中には既に点検口が設けられている場合もあります。写真左は押入の天袋部分のです。上の写真のケースでは、調査する数年前に電気配線のやり替えをしたという聞き取りができていたため、電気屋さんが使用した点検口位置を事前に確認することができました。写真左は和室からの見上げ、写真右は小屋裏から同じ部分を見下ろしたものです。

 

天井板を外して点検口確保(小屋裏調査用)
天井板を外して点検口確保(小屋裏調査用)

 調査参加者の中に大工さんがいれば点検口の開口などいとも簡単に済ませてくれますが、大工さんがいない時には自分たちで開けることもあります。上の写真では、小屋裏調査担当となった私が天井点検口を確保しているところです。 

この時に気を付けたこと↓

 

◆点検口を開ける箇所の候補◆

 ・収納部屋などあまり目立たないところ

 ・天井面に雨染みが確認されたところ

 ・天井板をずらすだけで顔を入れらるところ

 

今回は、隣家との接続部分を重点的に確認したいという点と、上にあるように天井に雨染みがあり小屋裏の状況を確認したいという点から点検口箇所を決めました。

写真でも分かるように竿縁天井だったので、板を傷つけないように釘を一つ一つ抜いていきます。

幸いにも丁度竿縁の上で板が継がれている箇所だったため、天井板を切断することなく外すことができました。釘を抜いたら天井板をスライドすれば点検口ができました。

 

 

これでようやく床下・二階床・小屋裏の点検口(進入口)が確保でき、調査開始できる状態になりました。ここまでの作業をより効率的にスムーズに行えるかが、その後の調査にかけられる時間に影響してきます。

 

調査内容については改めてご紹介したいと思います。

 

(つづく)

仕立建築舎 平賀