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四国圏内 初参戦の既存建物詳細調査|住宅医による詳細調査

 

個人的に四国圏内初となる既存建物詳細調査に参加してきました。

大阪からは3名が参加し、徳島や愛媛から調査員が集合し総勢10名以上での調査となりました。四国と言っても徳島はギリギリ日帰りができていしまう距離でした・・・

 

5月というのに全国各地で真夏日を記録した日でしたが、特に小屋裏での調査は忍耐が必要になる時期になってきましたね。

 

今回は、徳島という地域性なのか、とても地域色の強い住宅の調査となり、調査の担当(今回は立面図・矩計図・外部劣化)以外のところにもウロウロと見させてもらいました。

 

今回の調査建物2棟(北側より見る)
今回の調査建物2棟(北側より見る)

 

この調査は、徳島を新たな居住地として選択された方のご要望に応じた改修工事を進めるにあたり、既存の建物の状況を把握する調査となりました。

 

築56年の住宅はしばらく空き家の状態が続いていたそうで、劣化箇所が各所で見受けられましたが、調査当日は大工さんも参加されていて、応急処置などを対応されていました。

 

棟端部の鴟尾(実は下り棟にも鴟尾がありました)
棟端部の鴟尾(実は下り棟にも鴟尾がありました)

 

「鴟尾(しび)」が棟の両端にちょこんと乗っているのが特徴的な外観です。よく寺院では見かける鴟尾ですが、一般的な住宅に使用されているのを見るのは初めてでした。

調査建物の周辺でも鴟尾が乗った棟が多く、徳島のこの地域ではよくあることだそうです。

 

玄関部分の軒天(下屋の見上げ)は藁を竹で抑えた納まり
玄関部分の軒天(下屋の見上げ)は藁を竹で抑えた納まり

 

もう一つ興味深かったのが、軒天(のきてん)の材質です。軒天とは別称「軒裏天井」とも言われますが、外壁から外側の屋根の裏側をいいます。

現行の基準では防火性能を高めるために、木の厚みを大きくしたり、燃えにくい素材にすることが多いですが、今回の住宅では一部、藁を竹で抑えた納まりでした。

 

 

下屋と大屋根の軒天でも仕上げが異なる
下屋と大屋根の軒天でも仕上げが異なる

 

 

よく見ると、下屋(1階部分の屋根)と大屋根(2階部分の屋根)の軒天でも仕上げが異なっていました。この住宅では2階の天井も玄関部分と同様の藁を竹で抑えた納まりだったので、意匠面でも意識して使い分けをされているようでした。

 

聞くと、徳島でもこの地域は冬は寒いそうで、藁を断熱材として捉えた先人の知恵なのかもしれません。この軒天の納まりもこの地域では珍しくないそうです。

 

 

今回、四国圏内で初めての調査参加となりましたが、普段調査することの多い近畿圏の住宅とは異なった仕様が見ることができました。遠方での調査は体力的に厳しい部分もありますが、新しい発見もつきもので癖になりそうな予感もします。

 


おまけ(後日談)

 

実は、以前からクロネコヤマトの配達員の方が装着しているのを見ていつか手に入れたいと思っていた私。今回、私とペアーで調査していた愛媛の住宅医のYさんの手元にあるのを発見し思わず声を上げてしまいました。どうも、私がクロネコさんに問合せした数年後?に販売されていたそうです。

※写真は二人の手です。もう一つの右手はカメラ持ってます
※写真は二人の手です。もう一つの右手はカメラ持ってます

 

よほど羨望の眼差しで見ていたのか、Yさんが来阪された際、これを2双もプレゼントしてくださいました!この嬉しさを共有したいと思い、1双を先輩におすそ分けさえてもらいました。Yさん、本当にありがとうございました。

 

 

多くの調査員の方とご一緒する機会があると、その都度便利な道具や調査方法などを見聞きできるのがいいですね。牛の歩みも千里。

 

 

仕立建築舎 平賀