先日、30?年ぶりに天橋立(京都府丹後)に行ってきました。
興味深い地形について少しご紹介したいと思います。
天橋立は「宮城の松島」「広島の宮島」と並んで
“日本三景”の一つというのは小学校の社会で習った遠い記憶…
昨年の日本人研究者によるイグノーベル賞受賞でまた脚光を浴びているところでしょうか。
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「前かがみになってまたの間から後ろ方向にものを見ると、
実際よりも小さく見える“股のぞき効果”を実験で示した」ことによる受賞ですが、
高いところから前かがみになって足の間からものを見る
という体勢にヒヤッとしてしまい、
肝心の「股のぞき効果」は実感を持てずじまいでした。
ところで、“天に昇る龍”に喩えられる天橋立の地形ですが、
とてもユニークな地形形成の過程によるものだそうです。
「天橋立は、丹後半島の東側から流出した砂礫が海流によって運ばれて野田川からの流れによる海流がぶつかることにより、府中側から堆積してできた(現地案内看板より抜粋)」
と言われているそうです。
海なし県の地元奈良では起こりにくい地形形成に、自然の力を目の当たりにした訪問となりました。
どこかへ行くとついつい建物に目がいってしまいがちですが、
地形の成り立ちに意識を向けてみるのも、
その土地ならでは、で興味深いかもしれませんね。
…といいつつ、建築物のご紹介も少しだけ。
【おまけ①】
廻施橋と呼ばれる「小天橋」は、水面から橋の高さがあまりないため、
船の運航に対応するため90°回転するそうです。
こういう機構のあるものは自分の目で確認したくなる性です。
ただ残念ながらこの日はタイミングが悪く回転は見られず…
大正12年の架橋時は手動での回転。昭和35年に電動化。
【おまけ②】
“日本三景”の次は、“日本三文殊”のひとつである智恩寺の文殊堂へ。
少しでもご利益にあやかろうとお参りしてきました。
煤けた構造が味を出していましたが、私は境内にある多宝塔(重要文化財)に目がいきました。
ここでは写真紹介に留めますが(機会があれば おまけ から本タイトルで取り上げたいとも思います)、室町時代の洗練されたたたずまいに、息をのむ時間でした。
<おまけ終わり>
天橋立から少し足をのばして訪れた「伊根の舟屋」では街並みとして気になったことが ありました。
…が、続きはまた次回ご紹介したいと思います。
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仕立建築舎 平賀
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